掲示伝道 2020年 報恩講

2020年11月30日月曜日

掲示伝道 報恩講 法話

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 油揚げの  味戴くや 報恩講

この句は、福井県大野市の小嶋吉右衛門家の資料「惣報恩講譲牒」にみえるもので、1869年(明治2)11月23日、大野の万株園茶店で催された惣報恩講(「ソウホンコ」)で詠まれたものです。惣報恩講の参加者(氏名未詳)が即興で作った句です。

デジタルアーカイブ福井のコラム
江戸時代のふくいの油揚げ事情

今年はコロナ禍もあり、各寺院の報恩講ではお斎がとり止めになったり、お持ち帰りのお弁当にされていることが多いようです。
また法事でも、お参りくださった皆さんでお斎をいただくことが殆どなくなってしまいました。しかたがないことだとは思いますが、少し残念です。

お斎はお仏事の際にいただく食事の事です。
縁ある人びとが一堂に集い、それぞれに食材を持ち寄り皆で作り、皆でいただきました。
食べきらずに持ち帰って家族とわけあって戴くこともあったそうです。

このようにして、お米やお野菜などのいのちを戴いて生きるありがたさを教えていると言われています。

この句が詠まれたときは、物価高騰が原因で惣報恩講を行うかどうかについて意見の一致をみず、開催が危ぶまれる状況であったということですが、同資料によれば、図らずも「老旦那」の「厚き恵ミ」を受けて営まれたといいます。
この事から、そんな中でも報恩講をお迎えできたという安堵の気持ちが感じられます。

報恩講をお参りし、仏法を弔問する事も大切ですが、皆で語り合い、その場に身を置いたことを肌で感じる、そして舌で味わうこと。改めてお斎の大切さを感じました。

コロナ収束後は、皆さんでお斎の席に座り、食事をいただきたいと願っています。





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