掲示伝道 2021年8月

2021年8月24日火曜日

掲示伝道

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問いを『諦める』ことは完全な『分断』だし、
『答えが出たと思う』ことは『偏見』が完成すること
伊集院 光  100分で名著より
2020年5月25日、世界を動かす事件がありました。アメリカのミネソタ州ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官に殺害された事件です。この事件をきっかけに、黒人の命の尊重と人種差別の是正を訴えるBLM「ブラック・ライブズ・マター」運動が世界中に広がりました。テニスプレイヤーの大坂なおみさんの勇気ある行動でも注目を集めました。

そんな中で「黒い皮膚・白い仮面」という本がNHKの100分で名著という番組で取り上げられました。番組製作者の思惑として「差別とは何か」「差別はどうして生じるのか」「どうやったら差別を乗り越えることができるのか」といった普遍的な問題を深く考えたい。と番組ホームページで語っています。

著者のファノンは「黒い皮膚・白い仮面」を「おお、私の身体よ、いつまでも私を、問い続ける人間たらしめよ!」という言葉で締めくくっています。
この言葉をうけて伊集院光さんがこう言ったのです。
「『諦める』ということは、『この人のことをもう知らなくていい』ということなので、完全な分断だと思うんです。そして、『答えが出た』ということは、そこで『偏見』が完成することだと思う。だから、一番大切なことは、『問い続ける』ことで、『よかれと思って言ったことがもしかしたら傷つけているかもしれない。じゃあ、こういう言い方をしたらどうなんだろうか』と思い続け、自分をバージョンアップし続けることではないか」

差別問題を語るとき、差別される側、差別する側、どちらも斬り捨てることなく、「わがこと」として考え、問い続けなければなりません。

ファノンは、自らも差別される側だけでなく、差別する側に身を置いたこともある人であり、そのことに、のたうち回りながら、自分自身をも切り裂くようにして、この問題を考え続けた人です。親鸞聖人もまた民衆の中に入り、民衆とともに仏法にふれた方です。懸命に生きるいなかの人々と共に暮らし、すべての人が同じくひとしく救われていく道として、念仏の教えを伝えていかれました。 そしてこのような聖人の願いと生き様は、教えに出遇って生きる喜びを見い出した多くの方々のご懇念によって、今日に至るまで相続されてきています。

親鸞聖人があきらかにされた浄土真宗の教えに耳を傾け、人と生まれた喜びと、共に生きることを大切に受けとめたく願います。







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